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ラポール

2020年3月14日 投稿者: matudoeria オフ

「ラポール」はカウンセリングを学び始めると、初期の頃から重視される事柄であり、カウンセリングの成立そのものに関わると言えるでしょう。

元々は、動物磁気説のF.A.メスメルが使用した言葉だったようですが、昨今では、当たり前のようにカウンセリングを学ぶ者の中で使用される用語です。

ラポールとは何か?

ラポールはカウンセリングを行う場合の、信頼関係の事と捉えられます。

カウンセリングは、技術を要することは確かだと思いますが、その技術もラポールが損なわれている中では意味を失うことが大いにあります。

これは、カウンセリングに限ったことではないと思います。

教師がいかにいい話を生徒にしても、そもそも信頼されていない教師であったら、その意義深い話も退屈に聞かれることでしょう。

医学の分野では、プラシーボ効果などというものさえあります。

無理やりラポールを築くよりも、そのためらいを大事にすることの方が重要

このようなことを書くと、とにかくカウンセラーを信頼しなければいけないのではないかという気持ちになり、力が入ってしまうかもしれません。

しかし、信頼は無理やり築くべき性質のものではなく、自然と生まれてくるものと言えるでしょう。

むしろカウンセリングでは不信感も肯定されるべき時間であります。

とにかく腕のいい人が良いのですが・・・

少し幅を広げてラポールについて考えると、やはり単純なことではないことに気づかされます。

よくテレビなどでお医者さんの評判が取りざたされるようになりましたが、「とにかく腕の良いお医者さんが良い」と考える人も多いものです。

手術を担当するお医者さんが、温厚で話しやすい人物であったとしても、手術の経験が2回位しかなかったら、そのお医者さんを信頼することは確かに難しいのではないでしょうか。

先に技術ありきで、経験値や高い技術こそが信頼の前提であると言い切る人もいることでしょう。

人によっても、どこに信頼を感じるか違いも生まれてくることだと思います。

たゆまぬ内省を

援助職側は、もしラポールが生まれたと感じたとしても気を抜いて良いなどいうことでは決してありません。

それはあくまで入り口でしかなく、その後の自分自身の在り方を常に意識し向上する必要性があることは言うまでもありません。

一度生まれたラポールが壊れることも人間関係の中では起こり得ることです。

ビジネスマンは毎朝新聞にくまなく目を通すのではないでしょうか。スポーツ選手はトレーニングを欠かしません。

同様に援助職者は、たゆまぬ内省が求められるのではないでしょうか。