答えると応える

日本語には、同じ読み方であっても別な感じを用いることがあります。

例えば、カウンセリングを勉強していく中で、「答える」と「応える」を意識するようになりました。英語で表現すれば、「answer」と「respond」の違いと言うことになるでしょうか。

なぜ英語が登場するのか、不自然なようでもありますが、そもそもカウンセリングは、アメリカではじまっているので、英語の表現をじっくり検討してみることも意味があるのだと思います。

さて、日本ではどちらも「こたえる」と読むわけですが、意味するところは別になります。漢字にどこか生きた感触を覚えるのはこういう言葉を改めて考えてみたときなのかもしれません。この点は、カウンセリングにおけるアドバイスに関する考え方にも関係してくることが含まれます。

答えるとの違い

答えると応える

「答える」は、「回答する」というニュアンスを強めに感じます。コミュニケーションの中で必要なことだと思います。

本日の天候や、気温を尋ねられた場合は、「26℃位です」とか「答える」わけです。

「応える」は、「応答する」というニュアンスになるでしょうか。(もっとしっくりくる熟語があるのかもしれません。)

上述の気温の例を使用してみますと、「今日は何度あるのでしょう?」(暑くて汗を流しながら尋ねてきたとします)と尋ねられた時、「もうエアコンの効いた部屋に入りたいね」と応える人がいらっしゃるでしょう。

これは、「回答」したわけではなく、「応答」したわけなのです。

温度を尋ねた人が、何を意図して温度を尋ねたのか、真意はわからないわけですが、その場の雰囲気によっては、必ずしも正確な温度の情報という「回答」を求めているとは限らないわけで、上記の例では、暑さを共有するような応答をしたわけです。

何に応えるのか

カウンセリングにおいては、特に「応える」の方が注目されますが、では、何に応えているのでしょう。

それは、その人の「体験」に応えているという説明ができるのではないかと考えています。

体験に応える

コミュニケーションの中で表面に現れている言葉には、それに伴う体験があると考えると、上述した例のように、「今日は何度あるのでしょう?」という語りには、「暑くてたまらない。不快である」という体験を感じます。

ですから、「応える」という行為は、「これでは外の作業は辛いね」などという表現になってくる可能性が持ち上がってきます。

ですが、必ずしもどのような体験のもとに発せられた言葉であるか、とっさに理解できないこともあることでしょう。そのような時は、どのような体験をなさっているのか理解するためにもう少し詳しいことを伺っていかねばなりません。複雑な人間社会では簡単にはわからないことの方が多いのかもしれません。

質問をしてみてまたり、聞き返してみたりと、そうしてよりその言葉の意味の理解が深まるわけです。先読みしすぎてしまうと誤解が生じることも時にはあることでしょう。

responce ability?

カウンセリングを学ぶ中で、このような表現に出会うことがあると思います。この点についても、後日触れたいと思います。