フォーカシング

フォーカシング(focusing)は、カール・ロジャーズの弟子、ユージン・ジェンドリンによって考案された方法である。焦点付けと訳される。

ユージン・ジェンドリン

簡単にジェンドリンについて触れると、彼は、アメリカの心理学者であり、哲学者でもある。オーストリアのウィーンに生まれ、シカゴ大学では、哲学を専攻していたが、ロジャーズとの出会いがあり、彼の研究グループに参加していった。そして後にジェンドリンは「体験過程」という概念を提唱したのである(1955)。

フォーカシング

フォーカシングの方法には幾つかあり、その方法はある程度の手順のもと行われたりもしている。そのためか、カウンセリング場面で行うこともあるが、セルフ・ヘルプ的に展開している面もある。また、カウンセラー、クライエントの一対一で行うこともあれば、集団で実施する場合もある。

フォーカシングは、工夫によって、応用されてきたこともあり、多くの領域で取り入れられてきた。例えば、学校でフォーカシングを応用的に活用する場合などがある。ストレスマネジメントと関連させて用いる場合も見受けられる。

ジェンドリン自身も何度か来日(1979年に初来日)し、フォーカシングのワークショップを行った。

体験過程について

カウンセリングについて尋ねられた場合、体験過程を説明に出す心理臨床家は少なくないのではなかろうか。

カウンセリングでは、何に注目しているのか、注目する点がそもそもあるのかないのか、適当にやっているだけではないか、というような疑問をお持ちの方もいることだろう。

一つの説明として、この体験過程への注目が挙げられると思う。かなり曖昧な表現であるが、自身へ意識が向くかどうかという点が、カウンセリングにおいては一つの重視されるポイントとなると言えるのではなかろうか。

カウンセリングの成否は、この体験過程の深まりと強い関係があるとの主張も多くなされてきた。

無論、強制的に自身へ意識を向けるなどという事とは異なり、ましてやそれを言葉にするには、大き安全感があることが前提ではなかろうか。むりに、言語表出を促すことが、我々人間社会には、多くの場であり得る。

それは、何かの討論の場であったり、会社の会議であったりする。カウンセリングにおけるそれは、それらとは全く異なる体験である。

フォーカシングにおいても、この体験過程は、非常に重要度の高い概念である。集団で行うような場合には、特に安全性に対する配慮が望まれる。