母との関係もカウンセリングのテーマになり得ますか?

人間関係がカウンセリングのテーマとして登場することは様々な形でありますが、母との関係もその一つとして挙げられると思います。

近しい関係であるが故、特有の葛藤が生まれるということもあるのではないでしょうか。

母親の保護なしでは生きていけない時期がある

人間の一生物であり、母親から産まれることで、人生が開始されます。誕生したばかりの我々は、他の生物同様、誰かの保護を受けなければとても生きて行くことはできません。様々な事情はあるにしても、多くの場合、母親がその保護を担うと言えるでしょう。

母子一体

産まれたばかり母親と子供は、産まれてしまえば別々の存在になりますが、しかし、その距離は当面近いままで、多くの時間を母親と伴に過ごすことになります。

産まれてはみたけれど、出産前のように、母子一体である状況は続いているわけです。

子供の自立

子供が育って、いつかは自立の時が訪れるものです、精神的にも、経済的にも、形はどうあれ、自立を意識する時期がやってきます。

子育ての終わりを迎えることは、母親にとっても大きな転換点と言えるでしょう。

そして、やがて子供は別な家族を自分自身で作り上げてゆきます。親子であることは一生続きますが、別々に暮らしたり、1年に数回程度しか会えないような遠方に住むこともあります。

概ね、こんな風にして、誕生から自立を経て、別な家族を築いていきます。

文章にすれば簡単なことではありますが、そこには、簡単には済まない葛藤が要所要所で見え隠れして当然位なものだと思います。決して簡単なことではないと思います。

カウンセリングで話題となる葛藤とは?

家とか、母、という事を考えた時、一番の山場は、自立の時期ではないでしょうか。

もし経済的に困難な家庭だったり、他の家族の誰かが病気をしているような状況だったら、娘や息子も、自立するということを喜んでばかりもいられない可能性があります。

自分自身の人生が進むことは良いことかもしれませんが、一方で、母親や家族を置き去りにしてしまうかのようで、罪悪感を伴う葛藤を感じる人もいることでしょう。

これはごく一例に過ぎませんが、自立の過程には、上記の他、様々な葛藤を自分自身がどのように捉えて、折り合いをつけてゆけるものなのかと、深く悩むこともあるのではないでしょうか。

持ちつ持たれつの関係になる

色々と不平は言いつつも、帰ってきた娘や息子に、改めて生きがいを見出すこともあり得るのではないでしょうか。

これは非常に複雑な話だと思います。人間50才に差し掛かるころ、次の生き方に意識が向くことがあります。

子育てが終わっていれば、何か子育て以外の事に意識が向いても不思議ではなく、その人の人生はさらに自分自身の歩みを進めるものです。しかし、そこで、子供が帰ってきて、さらに手がかかるとしたら、何やら、それがこの先の生きがいになったとしても、あり得ない話ではないと感じます。

子供の離婚は残念だけれど、内心喜んでいる母親もあるのではないでしょうか。

娘側の心境

離婚や退職で、ボロボロに疲れた子供たちにとって、実家で口やかましくとも、温かく迎えてくれた存在はどう映るでしょう。

何だかんだで、居心地の良さを感じている人もあるのではないでしょうか。

朝食や洗濯、これらは生活の中ではかなり手のかかることです。しかし、母がやってくれたら助かってしまうでしょう。

どこか違和感を感じながらも

このまま実家で暮らしていく形もあると思います。悪い事ではありませんし。

しかしながら、この生活に何らかの疑問を感じ始める人もいるのだと思います。

私は、ここで暮らすことが良いのか?再婚や仕事のことをもう一度考えるべきではないのか?母は、居心地よくして私を引き留めようとしているのではないか・・・。などなどです。

こんな局面に立ったとき、どういう方向性を人は選んでいくものなのでしょうか。

母親の老後

年老いた母一度自立を果たした場合にでも、幾つも山場はあると思います。結婚後の子育てや夫婦の在り方に口を出されるなどと言うこともありそうなことです。

場合によっては、両親の夫婦関係についてなんらかの動きが起きるかもしれません。専業主婦家庭であったとすれば、父親の定年後、家庭内の変動が起きます。二人で過ごす時間が増えることにより、何かバランスを取ることが一時的にでも難しそうなことに思えます。→参考までに、あの・・・どちら様でしたっけ?もご覧ください。

そして、いつか母親自身が年を重ねる中で、介護というテーマも浮上することでしょう。子育てと介護が同時にという可能性もあります。

このような時、一緒に住むべきだが・・・とか、家のことが大変で余裕がない・・・とか、様々な葛藤が生まれやすいのではないでしょうか。

母親の死後

母親との関係は、母の死をもって終わると言えるでしょうか。もちろん、母とは二度と会えないわけですが、その関係性上のことは、まだまだ続きそうでもあります。

法事もあれば、母を知る様々な人々もいますし、生前のエピソードなどもあり、どこか影響を受け続ける面があるのではないでしょうか。

中には、母親の活動や思いを引き継ぎ、継続して母親のために時間を過ごす方もあるでしょう。

母との関係のカウンセリング

いろいろ書いてはみましたが、どれもとても答えのないような問いかけに見えます。家に残る選択をする人もいれば、出て行くことを決心する人もいるでしょう。

母親の老後は一緒に暮らす選択をする人もいれば、望まない人もそれぞれです。

これらは、何が正しいということはわかりません。カウンセリングの観点からすると、その人がどう生きるか、というテーマとして見ることでもあると思います。カウンセリングでは、このようなことも含め、幅広い視点からお考えいただける時間になればと思っています。

母と娘という観点が強い書き方になっていますが、母と息子の間でもまた、色々なテーマが存在すると思います。

母との関係というくらいですから、中には、母親と同席でカウンセリングを受けたいとお考えになる方もいらっしゃるとおもいます。

確かに同席でのカウンセリングが有益な場合もあると思いますが、基本的には、1対1で行っています。

夫婦のカウンセリングの場合でも同様なのですが、二人の仲を仲裁したり、どちらの言っていることが妥当であるとか、そういう判断をする性質の時間ではありません。

カウンセリングは、そのテーマについて、お話になってみたい、お考えになってみたいと、自らお越しになった方を尊重する時間です。

むしろ、複数で進めてしまうと、カウンセリングをご希望なさっている方ご本人の内的作業(お気持ちの作業)に専念できないようにも感じています。

カウンセリングをご検討中の方は、柏のカウンセリング専門機関 | 心理臨床オフィスまつだ本サイトの各種案内をご参照下さい。