流行やトレンドからも一歩離れていること

認知行動療法を否定するものではありませんが、昨今、非常に認知行動療法が注目を集めています。

NHKで特集されたり、保険点数化されたこともあり、病院で行わなれことも増えました。

もちろん開業の場でも認知行動療法を標榜している人は多くいます。

またEMDRも、10年前に比較して、世のなかに露出してきました。

流行りという表現は適切ではないにしても、スピーディーな普及が起きたことは確かです。

ここでは、心理臨床の流行りがどうこうというよりも、さらに幅を広げて、社会のトレンドというところまで含めた内容にしたいと思います。

社会は常に変化している

流行やトレンドから一歩離れている

 

 

 

例えば、昨今就職活動に関する動向が激変しました。21世紀に入って、間もなくの頃からだと思います。

スーツ姿の大学生をよく見かけるようになりました。いつからか、大学がどたばたしてきた印象です。親戚に電話したら就職が決まるようなことは、少なくなったのでしょうか。

また、働き方についても、昨今は多様化ということが言われ、終身雇用以外の働き方にも徐々にスポットがあてられはじめました。また、会社で仕事をするという発想自体が変化しつつあり、テレワークの導入もはじまりました。

許されない生き方

さて、これだけ、社会の動きがあると、個人の中の意識も穏やかではいられません。

多くの場合、社会の流れに合わせなければという意識が高まるのではないでしょうか。波に乗らないことは、どこか非常識、良くないこととする風潮もあると思います。

大学卒業して、就職をしないと、両親からいい顔をされませんし、何か資格でも取るか、アルバイトでもはじめるように言われるでしょう。

しかし、アルバイトをはじめたら、いつまで就職もしないで・・・などと言われるのです。世間は勝手なのです。

カウンセリングは社会の動きとは無縁

そのような中で、やはりカウンセリングには存在意義が浮かび上がってくると考えています。

社会の要請や雰囲気に左右されず、自分自身の思いに意識を集中することが肯定される場だからです。

多くの場合、社会の流れに乗れないでいることを、自分自身でも肯定的に捉えられないということが起きるものです。その場合、自分の思いは後回しになり、普段の生活の中でそれが十分に語ることは困難になっていくと思います。

友人たちが次々と就職していく中、自分だけアルバイトをしているとなると、劣等感すら芽生えるのではないでしょうか。

しかし、本当に友人たちの方が、優れた人生を送っているのでしょうか?

焦燥感に掻き立てられて動き出す場合、はじめはなんとかなっても、なかなか長期間続けることは困難だと思っています。

それよりも、就職に何かの疑問を持った場合には、その疑問自体を大事にして良いのではないかと感じています。

そこから、その人らしい、人生の方向性が見えてくることも大いにあると思っています。

画家や音楽家も近い思いを持っていないか

最後に付け加えるならば、カウンセリングでそういう方向性が掴めたとしても、現実でなかなかうまく行かないことも人生です。

それほどに、社会の常識や考え方は多数であり、強烈なのだと思います。

これは何も人生のことばかりでなく、もともとそういう性質を持っているからなのでしょう。必ずしも、いい作品がが売れないことは、画家や音楽家を見ていればよくわかります。

しかし、社会が言っていることばかりが真実ではなく、こんな捉え方もできるのだ、という体験をすること自体に、意味があるのだと思っています。

社会に合わせられないことは、決して悪い事をしているのではないのです。

開業で行うカウンセリングは、独立していることも手伝って、社会の常識に捕われない語りをしやすい場所なのだと考えています。