カクテルパーティー効果

我々の注意力は時に驚くほどな感覚を備えています。

例えば、人が大勢いる中で、自分の名前が遠くの方で呼ばれたとき、その音を聞き分けることができる場合があるのです。それも、友人との談笑に夢中であった場合でもそういうことが起きます。逆に、騒がしい中でも、目の前の友人らと話をすることもできるわけです。

こうした現象のことを、心理学では、カクテルパーティー効果と呼んでいます。カクテルパーティーのようなざわざわした場所の中でも、選択的に音を聞き分けて、目の前の人と会話することができるのです。

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何度呼ばれても気づかないことも経験があると思いますので、聞き分けるためにはなんらかの条件があるのだと思いますが、それにしても不思議な現象があるものです。

人間の感覚は非常に鋭敏であることはどこか、逃走・闘争反応とも近いものを感じます。生存闘争の中で培ってきたことなのかもしれません。このことはまた別の機会に触れたいと思います。

話は戻りますが、生活の中でもカクテルパーティー効果を経験することがあると思います。例えば、運動会やマラソンで、たくさんの人達が応援しているような場合、たくさんの声援を集めている人がいます。まるで、その人だけが応援されているように錯覚しますが、そのような中でも、知人が「がんばってー」などと言ってくれている声が不意に耳に飛び込んでくることもあります。

たくさんの声援にまじって、自分を応援してくれている声を聞き分けることがあるのです。たぶんこのような経験をしたことがあると思います。考えてみれば、競技中は競技のことに集中しきっているかのように思うのですが、それでさえも、自分を応援してくれる声には気づくことがあると思います。

こういうことを考えて行くと、忍者が数キロ離れた場所で落ちる針の音を聞き分けるということもどこか本当なのではないかと思えて来ます。それほどに人間の感覚は大きな可能性を持っているのではないでしょうか。

動物の感覚も知らべてみるとびっくりすることばかりなのですから、人間がそうした力を備えていても不思議ではないわけです。

カクテルパーティー効果は聴覚に関する研究とも言えそうですが、「注意attention)」に関する研究と捉えた方が心理学を学ぶ人にはしっくりくるのではないでしょうか。そのため、「注意」をテーマにした研究を調べて行くと、こうした現象に関係する別なトピックスに近づくことができるでしょう。