
漸増の曲線。臨床心理士試験合格者人数の推移
2019年8月17日臨床心理士は年々増加しています。
臨床心理士は年々増加の推移を辿ってきた
上のグラフは臨床心理士合格者の推移を表しています。
あまり見栄えは良くありませんが、イメージを掴んでいただけたのではないでしょうか。
年々、増加してきました。
増加の背景
これは、観点により色々な述べ方が出来ますが、社会的背景を抜きにすると直接的には臨床心理士養成のための指定大学院または専門職大学院が増加したためです。
10名定員の指定校が30校増えれば、全国で300名の増員になります。
2000年頃は指定校もまだ少なく、大学院入学自体が非常に狭き門だったこともありました。実際確認できたわけではありませんが、放送大学では熾烈な倍率になったようです。
都道府県別の指定大学院数はリンク先を参照すると把握できます。
一概には言えませんが、指定校の多い都道府県近郊には、その分臨床心理士が多くなる傾向があると言えるかと思います。首都圏にかなり集中していますので、不足しているという県も出ているのではないでしょうか。
以前は、学部卒後に5年間の実務経験を得れば受験資格を得ることができましたが、現在完全に移行しました。
詳しくは、受験資格の項をご参照下さい。
H30年度臨床心理士試験合格者を合わせると35,912名
S63年度をはじめとして、H30には、35,912名になっています。
医療関係、教育関係に従事する臨床心理士が多くを締めますが、多岐にわたる分野で活動しています。
医師も受験している
指定大学院卒業以外のルートとして、医師が臨床心理士試験を受験できる場合があります。H30年度の段階で639名は医師でもあります。このような形をダブルライセンスと呼ぶのでしょうか?
女性が少なくとも7割以上
臨床心理士資格認定協会の該当ページに男女比率は記載されていませんでしたが、圧倒的に女性が多くなっています。
これは、大学院入試段階からの傾向であるようです。
今後の動向について
公認心理師の誕生に伴い、臨床心理士はその役目を終えたのでしょうか?
この点については様々な議論が巻き起こっており、注目していく必要があります。
臨床心理士がそのまま国家資格にスライドしたというものではなく、様々な団体の意見を取り入れ、新しい資格が創設されました。資格設計も臨床心理士と似てはいますが、ほぼ同じとも言えない形になっています。
また臨床心理士は更新制をとっています。否応なく5年に一度は、更新するかしないかという現実に直面させられることになるわけです。