心理的なストレスを表す言葉

日本でストレスという言葉が社会に浸透する以前には、どのような言葉が、心理的ストレスを表現する言葉として用いられていたのでしょうか。

ストレスを表す言葉たち

「ストレスですねー」という言い回しを使わなかったとしたら、どんな言い回しになるでしょうか。

例えば、「職場のストレスが凄くて、朝会社に行くのも嫌になりそうだよ。もう仕事辞めたいよー」というような発言があったとします。

この場合、職場のストレスが何を指しているのかその正体は全くわかりません。
何か、会社で起こる出来事を指しているようではあります。もし、ストレスという単語を使わないとどうなるでしょう。

「職場の緊張感が凄くて、朝会社に行くのも嫌になりそうだよ」

このような言い換えは割としっくりくるように思います。ストレスを緊張感に置き換えました。

緊張感以外に当てはまりそうな用語は他に、プレッシャー(結局英語なので不可としました)、ゴタゴタ、軋轢、負荷(意味は通りますが口語では使わないでしょう)などもあり得るでしょうか。

また少し表現を変えれば、「職場にいると肩が張ってきて、朝会社に行くのも嫌になりそうだよ」などとも言えるでしょう。

こうして考えると、「ストレス」という用語を使用することで、非常にその中身が曖昧になっていることがわかります。何がストレスなのか、聞いてみると、説明してくれるものでしょうか、それともぼやっとした対象をストレスという言葉で表現しているのでしょうか。

右肩上がり

肩が凝るということから右肩が凝るということにも考えを巡らして
みましたが、この右肩上がりという表現は、どこからはじまった
言葉なのでしょう。

幾つか調べてみるものの、はっきりとしたことはわからないままです。

この表現が使われる場面は、何かの数値をまとめたグラフが、右上に
上昇している様子を表すときが多いと思います。常識的に考えると、経済の
分野の言葉なのでしょう。

単純に、右から左に表をまとめるなら、左肩上がりとなるのでしょう。

売上の推移

それほど、深い意味のある言葉ではなさそうです。

似た表現には、うなぎ上りがあります。うなぎ上りは、より、上昇幅が大きい時
に用います。

なぜわざわざ肩が登場したのか

一つ疑問に残るのは、なぜ「肩」が登場したのかです。

わざわざ、「肩」を途中に挟まなくとも、右上がりでも意味は通じそうな

ものです。また、このことをよくよく考えて行くと、肩の左右差に注目している
様子がうかがい知れます。肩の左右の高さなど気にされた方はあるでしょうか。

リラクセーションなど学ぶ際には、左右差に非常に注意を払いますが(右肩
が上がっているという事には、右肩に力が入っていると想像します。)、普段の
生活では、そこまで気に留めないように思います。

ですが、一方で、人様の特徴をやたらと気にする人もいるものです。

あまりいい気分はしませんが、そういうところを見ている人がいることは
事実だと思います

体に関係した表現は多い

さて、あちこち話が飛んでしまいまとまりませんが、もしかしたら、わざわざ「肩」
が登場した背景には、単にグラフの見た目を現したのではなく、肩の様子を観察
していた人間の心理がこの表現の語源と関係しているのかもしれません。

世の中には、自然と使っているけれど、その語源はなんのことやら
わからない表現が意外とあるように感じます。

そして、体と関係した表現が多い事にもまた驚かされるものです。

例えば、「腑に落ちる」という表現がありますが、「腑」がどの部位を
指しているかを意識しながら用いる人は現代においては少ないのではないでしょうか。

「久しぶりの酒はが、これは五臓六腑に染み渡るぜ」などという表現に登場する腑と同義ですから、内臓を指しています。

臨床動作法のように、体に直接アプローチする心理援助の方法も存在します。